bauer's diary

凡人の凡人による凡人のための備忘録

"狭小住宅" は他人事とは思えない等身大の小説だった

著者:新庄 耕
第36回すばる文学賞受賞作
以下、内容紹介より引用

学歴も経験も関係ない。
すべての評価はどれだけ家を売ったかだけ。
大学を卒業して松尾が入社したのは不動産会社。
そこは、きついノルマとプレッシャー、過酷な歩合給、挨拶がわりの暴力が日常の世界だった……。
物件案内のアポも撮れず、当然家なかちっとも売れない。
ついに上司に「辞めてしまえ」と通告される。
松尾の葛藤する姿が共感を呼んだ話題の青春小説。


狭小住宅 とは、明確な定義はありませんが、ペンシルハウスとも呼ばれており、一般に約15坪以下の土地に建てられる住宅がそのように呼ばれています。

正面から見るとえんぴつのように細長く見えるため、いくらか揶揄する意味を込めてそう呼ばれることがあります。
容積を最大化するために建物は三階建てで、日照権の関係で多くは屋根が鋭角に切れ込んでいる、
そんな都内の手狭な土地に戸建てを建てて、それを売る不動産営業の主人公の物語です。


最後の上司の言葉が頭から離れません。

これから家を買おうと考えている方にも、社会人に成り立ての学生にも、幅広い方を対象に人生・仕事・幸せとは何かを考えさせられるような、決して他人事とは思えない作品に仕上がっています。

ページ数も単行本で176ページと、早ければ1日で読んでしまえるボリューム(私は1日で読んでしまいました)なのでおすすめです。